妊娠や出産を考えていらっしゃる方の中には、「赤ちゃんのために悪いものは食べたらいけないよね?」「どういうものが良くないんだろう?」と、疑問に思われることもあるでしょう。今回は、妊活中の食事について少し注意しておきたいことを紹介します。食事は薬とは違い、即効性はあまり期待できません。薬だと今日飲んで明日が出るかもしれませんが、食事の場合は3週間程度かかると言われています。そして毎日の食習慣が私たちの身体を作り、これから授かる赤ちゃんを育んでくれるものなので、日々の積み重ねが大切です。
ここでは、妊活中に避けたい・注意すべき食事や食品について3つ紹介します。

1.身体を冷やすものばかり食べる~体を冷やし、子宮への血流が悪くなります~

妊娠、出産にかけて、身体を冷やすことはタブーとされています。それは、子宮への血流が悪くなり、胎児へ栄養を送るのが不十分になること、妊娠時にお腹が張りやすくなり切迫流産や切迫早産のリスクが上がること、妊娠後期のこむら返りなど身体的不調の原因になることがあげられます。
実際に私も、産休ぎりぎりまで会社に行っていて、ゆったりしたスカートにパンストという足を冷やすような格好をしていたため、案の定、身体が冷えてしまい、就寝時のこむら返りで何度も痛い思いをしました。

妊娠時に身体が冷えてしまうのを防ぐため、妊活の今から身体を冷やさないような工夫をしていきましょう。
食べるものでは、まずは単純に冷たいものを避けること。夏の暑い季節は冷たい飲み物が手放せない方もいらっしゃるかと思います。汗をかいた後のビールだっておいしいでしょう。けれど、暑い暑いと言っていても、電車の中や建物の中は空調がきいているため、思いのほか冷えています。冷えた場所で冷たいものを飲むとますます冷えます。無理に温かいものを、とは言いませんが、せめて常温の飲み物を飲むなど、冷やさないよう工夫をするのをお勧めします。最近ではコンビニでも常温のミネラルウォーターを置いているお店をみかけるようになりました。何もかもぬるま湯で、とはいいませんが、冷たいものは控えめにしてみてください。

食べ物には、身体を温めるものと冷やすものがあり、妊娠のためには身体を温める食べ物を食べなさい、と言われるかもしれません。残念ながらこれは根拠がありません。よく、トマトやナスなどの夏野菜は水分が多く(みずみずしい、という表現があてはまりますね)、火照った身体をクールダウンさせてくれます。なので、夏野菜は身体を冷やすとされています。クーラーが無かった昔は、このような夏野菜で身体をクールダウンさせていたのでしょう。
身体を冷やすから、と旬の野菜を完全に避ける必要もありませんし、身体を温めないといかないからと、わざわざおでんを炊いて食べる必要もありません。旬の野菜にはその時期の身体に必要な栄養素がたくさん詰まっています。あまり神経質にならずに、まんべんなく食べることをおすすめします。
昔と違って今は、どこもかしこも空調が聞いていて、夏でも身体が冷えやすくなっています。空調による冷えや冷たいものを食べることによる冷えには気を付けておいた方が良いでしょう。

これは食事とは異なりますが、きつすぎる下着や服(たとえばガードルやスキニーパンツなど)は身体を締め付けるばかりか血行を悪くしてしまい、身体の末端(手先、足先)まで血流が行かずに冷え性になってしまいます。また子宮の血流を悪くしてしまうかもしれませんので、そのような事にも気を付けてみてください。
(参考 AFP通信「きつすぎるスキニージーンズに健康リスク 豪医師らが警鐘」よりhttp://www.afpbb.com/articles/-/3052523)

2.お菓子ばかり食べる~肥満のもと~
単刀直入に書いてしまいましたが、お菓子を食べることは悪いことではないです。それだけを食べるのが良くないです。
私の情けない思い出ですが、学生時代、お菓子ばかり食べていた時期がありました。昼は友達とカフェめぐりしてフレンチトーストを堪能し、夜はお酒のアテにポテチ…みるみる肥えて、体重もここでは書けないくらいになりました。それから就職して朝から晩まで働くうちに少しずつ痩せて、結婚、妊娠、出産。妊娠時の体重の最高値は学生時代の激太りの体重まではいかなかったです。何が違うのかというと、お菓子の量でした。食事だと、主食で糖質は摂るものの、いろいろな肉や野菜を摂ることでタンパク質やビタミンを摂ることができますが、お菓子は糖質か脂質がほとんどです。タンパク質やビタミンが足りないのでとても偏ったものになっています。食べる時間も不規則で、お酒も飲んでいたのが災いしたのでしょう。
妊活中は食事に気を付けなさい、とよく言われるかとは思いますが、お菓子もそうです。
お菓子に含まれる糖質は、身体に入ると血糖値を急激にあげてしまうものが多いです。運動や勉強のしすぎで疲れた時に甘いものを口にするとそれだけで疲労がやわらぎますが、それを大量にとってしまうと血糖値が上がりすぎて糖尿病の原因ともなりかねません。甘かろうが辛かろうが、しょせんお菓子であって、食事ではありません。
(参考「お菓子を食べると血糖値が上がる」糖尿病ネットワークHPより
http://www.dm-net.co.jp/kanshoku-file/shido1/shido1-3/1/)
気分転換にお菓子はもちろんいいものです。しかし、常に食べている、食べずにいられない、となると、ともしかしたら何かストレスがたまりすぎているのかもしれません。お菓子が妙に食べたい、一気食いしてしまう、そんな衝動に駆られたら、ちょっとリラックスタイムが必要なのかもしれません。3食、きっちり摂ることばかりにこだわるのも精神的に良くないですが、お菓子ばかりに頼るのもよくありません。
お菓子はほどほどに。わざわざ重さを測る必要もないですが、もしおやつの時間に食べるのなら、片手に乗るくらいでやめる、というように食べる量を決めて楽しんでください。

3.ジャンクフードばかり食べる~栄養バランスが偏って不健康に~
ジャンクフードには、たとえばコンビニやスーパーの揚げ物(フライドチキンや、唐揚げなど)、ハンバーガー、フライドポテトなどがあります。時々食べたくなるんですよね、新しい商品が出た時なんか。どんな味なのかな?て、食の仕事をしている私としてはジャンクフードでも気になります。けど、そればかり食べるのは要注意です。たとえばハンバーガーでランチをするとしましょう。たとえばテリヤキバーガー、フライドポテト、オレンジジュース、この組み合わせで栄養素を見てみると、
てりやきバーガー…パン、合いびき肉、ソース、マヨネーズ、レタス(ほんの少し)
フライドポテト…ジャガイモ、油、塩
オレンジジュース…果汁100%ジュースならオレンジ果汁のみ。果汁100%でなければ砂糖水とオレンジ果汁

というような栄養素の組み合わせになっています。
炭水化物…パン、ジャガイモ、砂糖水(果汁100%でないオレンジジュースに含まれる)
タンパク質…合いびき肉
脂質…油
と、分類されますが、これだけを見ると、野菜が極端に少ないため、ビタミン類が足りていません。

朝・昼・晩、毎日こればかり食べていると、栄養バランスが偏ることは一目瞭然ですよね。
ただ、一回一回の食事は大切と最初に書きましたが、食事のたびに栄養バランスがきっちりあっている必要もありません。なぜなら、ある程度体内に在庫が置かれているからです。(体脂肪が良い例ですが、他にもビタミンやミネラルもある程度は体内に貯蔵されています)1週間~2週間トータルでちょうど良いバランスになるようにしていくと無理なく栄養をとることができるので、神経質になりすぎず、ジャンクフードばっかりにならない程度に楽しんでください。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
身体を冷やさないように食べる、お菓子を食べすぎない、ジャンクフードばかり食べない、これは妊活や妊娠に関係なく、普段からよく耳にすることと思います。妊活だからといって何も特別なことをする必要は一切なく、今までの生活習慣の良くないことを直していくことが妊娠への近道です。
妊活について調べているあなたはすでに、あれもダメ、これもダメ、とたくさん制限をされるようなことを目にしているかもしれません。食生活で注意することは妊活に関係なくたくさんあります。しかし、今回は本当に大切なことを3つだけ書きました。人それぞれ体質も違いますし、今までの生活習慣によって改善の度合いも早さも異なってきます。今までずっと冷え性に悩まされてきた人もいれば、冷え性知らずの人もいます。自分の身体のどこが弱いのか、冷えやすいのであれば冷えにくくする工夫を、ジャンクフードばかり食べてきた人はそれを減らすような工夫を自分なりに見つけてみてください。
食事は何もかも手作りで、とこだわりすぎると、料理に慣れていない人にとってはそれがストレスにもなりかねませんし、ストレスのためすぎは体調を崩す原因にもなります。今は冷凍食品でも食品添加物が入っていなくて安心して食べられて美味しいものが売られていますので、うまく活用しながら体調を整えてください。そして、来るべき赤ちゃんに会えるのを楽しみに過ごしてくださいね。

そして最後になりましたが、食事で気を付けたいこと、見落とされがちですが本当に大切なことは、食中毒を防ぐことです。旅館や病院、学校などでの食中毒事故はニュースで大々的に公表されますが、毎年の食中毒の発生件数が一番多いのが実は家庭と言われています。
(厚生労働省HPより
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/)
食中毒の症状は下痢と嘔吐ですが、それが家庭の中で起こっても、「なんとなく体調が悪いな」、「お腹の風邪かな」、というふうにとらえられて、食中毒とは疑われません。それに家庭での食中毒は、学校での食中毒とは異なり自治体に届けることもないため、実際の件数は統計値よりも多いと考えられています。

食材は細菌まみれです。加熱調理しても時間がたてば食中毒菌が大繁殖します。私たちに栄養を与えてくれる料理は、食中毒菌にとっても栄養の宝庫なんです。しかもタチの悪いことに、食中毒に効く薬はありません。食中毒にかかると、対症療法として、下痢や嘔吐による脱水症状をなおすしか手立てがありません。免疫の低い赤ちゃん、子ども、お年寄りが食中毒になると、脱水症状や嘔吐物をのどに詰まらせることにより命の危険にさらされる可能性が高くなります。これは、妊娠時にも言えることで、特に夏場O157、冬場のノロウイルスには重々気を付けてください。妊活の時期から予防しておくと、妊娠時にも、子育ての時にも役に立ちますし、大切な家族を守ることにもなります。
(参考 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/point.pdf)
(参考 厚生労働省「これからママになるあなたへ 食べ物についてしっておいてほしいこと」
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf)